銚子商業高校の1年生173人を対象に10月9日、「銚子市沖洋上風力発電に関する講演会」が開かれた。銚子協同事業オフショアウインドサービス取締役の榊建志さんと、銚子市漁業協同組合総務部の間渕塁さんが講師を務め、洋上風力発電事業の現状や漁業との共生、地域経済への効果について説明した。講演では、地元で進む取り組みを知り、自分の将来や地域の未来を考えることの大切さも伝えた。
銚子沖の洋上風力発電計画について、榊さんは「三菱商事グループの撤退後も事業自体は継続しており、国による新たな事業者の公募が予定されている」と説明した。計画では高さ約250メートルの風車約30基を設置し、総事業費は約2,000億~3,000億円を見込む。銚子沖は風況が良く、海が比較的浅いことから風車の設置に適した海域とされる。榊さんは、風力発電事業には電気技術だけでなく、資金調達や商業、流通、企業間の連携など幅広い分野が関わることを紹介した。
間渕さんは、事業を進める上で漁業との共生が前提になると説明。銚子市漁協のまき網や底引き網などの各部会と協議を重ね、漁業への影響が少ない海域を選定したという。実証風車の水中調査では、基礎やケーブルの周辺に魚が集まる現象が確認されている。併せて、ワカメなどの藻場を造成し、二酸化炭素の吸収と水産振興につなげるブルーカーボンの取り組みも進めており、同校生もプロジェクトに参加している。
講演後の質疑応答では、生徒から、風車の建設から運転開始まで約6年かかることや、総事業費が大阪・関西万博の開催費に匹敵する規模であることに驚きの声が上がった。海洋科の生徒からは、「風車を建てると魚がいなくなると思っていたが、実際には周辺に魚が集まる現象が確認されていることが印象に残った」という声も聞かれた。将来、漁師を目指す生徒からは、風車との共生によって魚が多く捕れるようになることへの期待も寄せられた。
榊さんは「講演を通じて、生徒たちに自分が暮らす銚子でどのような事業や地域づくりが進んでいるのかを知ってほしい」と話す。高校生の段階で将来の職業を限定せず、まずは自分の興味を持てる分野を探すことが、地域の仕事や未来につながる。商業分野の学びが洋上風力発電事業にも生かせることを伝え、若い世代が地元への関心を深め、将来の銚子を支える担い手となることに期待を寄せた。