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銚子の門松端材と土で陶器を制作 地域資源の循環プロジェクトが始動

(右)北村さんとプロジェクトスタッフ

(右)北村さんとプロジェクトスタッフ

 銚子の地域資源を循環させる「銚子祝循環(ちょうしいわいじゅんかん)プロジェクト」で、門松の製造過程で出る竹や松の端材と銚子の土を使った陶器が完成し、9月12日・13日に海辺のあとりえ(銚子市名洗町)で展示販売会が開かれた。同プロジェクトは北村卓さんが立ち上げ、陶芸活動では「祝灰作家・空汰(くうた)」と名乗る。正月行事で役目を終えた門松の素材を、灰や土、銚子の風土と重ね合わせ、地域文化や産業へ循環させる取り組みだ。

梱包(こんぽう)される陶器は大漁旗の布で包まれる

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 プロジェクトは2026年2月、銚子円卓会議が主催した地域課題対話型シンポジウム「その課題、つながりでハックしよう!」をきっかけに始まった。日本屈指の門松生産量を誇る銚子市では、製造時に竹や松の端材が大量に発生することから、高校生、事業者、行政関係者、市民らが「捨てられる資源を地域の宝に変えられないか」と対話した。

 門松を製造する浜鈴総芸の鈴木浩之社長は、長年、竹や松の端材処理に課題を抱えていた。これまでも竹を炭にして肥料として販売するなど活用してきたが、処理しきれず廃棄するものもあり、自社だけでなく、ほかの門松生産者も取り組める循環モデルを望んでいたという。

 対話の中では、竹を灰にして酒器や器に活用する案や、吉兆を願う縁起物として使うアイデアなどが出された。北村さんは、門松として祝いの場に使われた竹を灰にし、その灰を使った器で再び酒を飲むことで、祝いの場へ素材を戻す循環に着目した。さらに、器を作るなら銚子由来の素材を使いたいと考え、土探しにも取り組んだ。

 遊休農地となっていた谷津田地域で採取した土に、竹や松の端材を粉砕して混ぜた素材を「銚子之産土(ちょうしのうぶすな)」と名付け、これを焼き上げた陶器を「祝灰酒器(しゅくはいしゅき)」とした。制作では最初の3カ月ほど、焼成すると形が崩れたり割れたりするなど試行錯誤が続いたが、土や灰の配合、処理方法などを調整しながら試作を重ね、器として形にした。

 完成した5つの酒器は、銚子の風土や地形を取り入れ、「渓」「崖」「岬」「標」「澪」と名付けた。器は銚子の大漁旗の布で包み、魚箱の素材で作った木箱に収め、魚網を使ったひもで結んで仕上げた。陶器だけでなく、包装や箱、ひもにも銚子の漁業や地域文化に関わる素材を取り入れている。

 北村さんは「人の営みから生まれた『材』が役目を終えた後も『財』として循環し、新たな姿になって再び人の手に渡る仕組みを目指している」と話す。完成した祝灰酒器は銚子円卓会議への寄贈も予定しており、地域で活用することで、門松から生まれた素材を再び銚子の祝いの場へつなげていく。

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