ヒゲタ醤油(しょうゆ)銚子工場(銚子市八幡町)で9月9日の重陽(ちょうよう)の節句の日に合わせ、伝統の製法で仕込む限定しょうゆ「玄蕃蔵(げんばぐら)」の蔵出し式が行われた。濱田孝司社長をはじめ役員や醸造士らが参加し、完成した玄蕃蔵を工場敷地内にある高倍(たかべ)神社に奉告した。
玄蕃蔵の名称は、1616年に創業者、田中玄蕃が銚子でしょうゆ造りを始めたことに由来する。国内産の原材料にこだわり、富山県産大豆「エンレイ」、北海道産小麦「春よ恋」、香川県産「瀬讃の塩」を使う江戸造りしょうゆで、五節句に合わせて醸造の節目ごとに儀式を行っている。
昨年11月に工場敷地内にある高倍神社から水を受けて「仕込み式」を執り行い、寒冷期仕込みを始める。ヒゲタ菌を加えて造ったこうじをもろみにし、節句ごとに発酵状態を確かめながら熟成を進め、最後には田中玄蕃の時代から受け継ぐ技法を用いて仕上げる。
蔵出し式では、玄蕃蔵の詰めと封印を行った後、玄蕃蔵と供物を高倍神社まで運ぶ「供奉(ぐぶ)の列」を組んだ。神事では玄蕃蔵と供物がお祓いを受けて神前に供えられ、完成を奉告した。続いて濱田社長が出荷宣言を行った。
今年の出荷数量は2万5000本。同商品は通常の流通を通さない限定販売で、今年分は既に予約で完売した。濱田社長は「今年も素晴らしい出来栄えになったので、十分に味わって楽しんでいただければ」と話し、「これからも伝統をしっかり守っていけるようにしたい」と語った。